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新型コロナウイルスの危機を通して考えるSDGs

HOPE-JP • Jun 13, 2020

企業とホープにできること

2015年9月の国連サミットにて持続可能な開発目標「SDGs(Sustainable Development Goals)」が掲げられてから早くも5年が経過しようとしています。
2030年をゴールとし「誰一人取り残さない(leave no one behind)」という理念のもと、17の目標(ゴール)を目指すSDGsは、途上国だけに向けられたものではなく、世界中全ての人々がそれぞれの役割を果たすべきものとして制定されました。

では、皆さんはSDGsにどのようなイメージをお持ちでしょうか?エコ活動やボランティアといった社会貢献のような印象、あるいは企業にとってSDGsとは、あくまで業績に余裕があるときに取り組むものというイメージがあるかもしれません。しかし、現にSDGsという言葉は企業間においても急速に浸透し、これに関連付けた事業導入例は毎年増加してきました。
SDGs

新型コロナウイルスが運んできた国際社会共通の課題 ~誰一人取り残さないために~

2020年上半期、私たちは新型コロナウイルスに大きく揺れ動かされました。一見、SDGsとは関係ないように思われるかもしれませんが、世界中に蔓延したこの脅威は、世界が団結して解決すべき共通の課題となり、「持続可能な社会」の重要性を浮き彫りにしました。
今月に入り、日本ではようやく終息に光が見えてきたようにも思えます。しかし、衛生状態が悪く、医療体制も脆弱な途上国において、ウイルスとの戦いは尚のこと長期戦になるでしょう。グローバル化の進んだ世界では、一部の国だけで新型コロナウイルスを終息できても、全世界での終息が実現しない限り、経済活動は回復せず、私たちの生活も脅かされ続けます。今回の新型コロナウイルスによって、世界がすでに運命を共にしていることを私たちは思い知りました。

今回の危機を一時的なものとして捉えるのではなく、今後も様々な危機は訪れると想定したうえで、環境問題の解決を急ぎ、途上国における社会基盤を整え、いかなる危機にも対応できる「持続可能な社会」を実現することが、世界共通の喫緊の課題となっています。

未来の幸せへの投資

新型コロナウイルスは思いもよらない形で突然現れましたが、それにより投げかけられた波紋は、持続可能な社会のため私たちに何ができるのかを考える時間ときっかけを与えてくれました。数多くの企業はコロナ危機にあって辛酸をなめる思いをしています。しかし、同時にこの未曾有の危機から学んだこと、SDGsという考え方は、アフターコロナの社会を生き抜く企業にとって1つの重要な指針となるのではないでしょうか。

自己中心ではなく「Youの視点」を持つ人材を育てること、自分以外の誰かの幸せを願い行動することを使命とした企業を作り上げていくこと、企業も人間も「どう生きるか」を真剣に考え、このコロナ禍を自身の行動を変えていくチャンスと捉える -それは、コロナ危機の中にあって企業の在り方を見つめなおし、SDGsへの取り組みを強化すると宣言した、トヨタグループ 豊田章男社長の言葉です。(注1)

個人個人の取り組みは小さく時間もかかりますが、企業が動き出せばそれは時として世界に大きなインパクトを与えます。企業が消費者をけん引することで、それは個人の取り組みをも推進させる力となるでしょう。SDGsへの取り組みは、みんなの未来の幸せへの投資であり、世界が本当の意味で豊かになれば、それはめぐりめぐって企業や個人の元に帰ってくるのです。
SDGs

HOPEのSDGsの取り組み

ホープはこれまで約20年にわたり、途上国で「取り残されている人々」の未来への道筋を助ける活動を続けてきました。それらはSDGsの目標1から6の取り組みに通じています。
目標1: 貧困をなくそう
目標2: 飢餓をゼロに
農業支援(カンボジア)
目標3: すべての人に健康と福祉を
水供給システムの設置、保健衛生教育(カンボジア、エチオピア)
目標4: 質の高い教育をみんなに
学校建設、高等教育支援(カンボジア、フィリピン)
目標5: ジェンダー平等を実現しよう
女性の小規模ビジネス支援(カンボジア、エチオピア)
目標6: 安全な水とトイレを世界中に
水供給システムの設置、保健衛生教育(カンボジア、エチオピア)
目標2~6の活動はすべて目標1の貧困問題の解決へと繋がっています。特にコロナ禍にあって手洗いとそれに必要な水の重要性が改めて顕在化したように、ホープは安全な水へのアクセスこそが、人間が尊厳をもって生きるために何よりも必要であるという信念のもと支援を続けています。

企業とHOPEが共にできること

しかし企業としてどのようにSDGsに取り組むべきか、またSDGsのどの項目に取り組むべきか分からないという場合、ホープのような国際協力団体を支援することも、SDGsと企業を結び付ける選択肢の1つです。例えば、
  • 自社に設置した自動販売機の売り上げの一部をホープに寄付
    • この働きを社員にも周知させることで、誰もが気軽にかつ意識的に国際協力に参加でき、毎回飲み物を買う度に、飲み水の大切さも実感。
  • ホープの活動とタイアップしたチャリティーTシャツ・雑貨・アクセサリーなどのグッズ製作
    • SDGsへの取り組みを伝えるだけでなく、自社の製品・技術のアピールにも繋がります。
  • チャリティーイベントの協賛
    • 貧困問題を多くの人に知ってもらう機会となり、同時に自社の活動を参加者に知ってもらう広報の機会にもなります。
ホープとの連携とひと口に言ってもその方法は様々です。そして、SDGsへの取り組みは途上国を助ける一方通行のものではなく、同時にあなたの企業の強みや働きを社会に伝え、世界と共に歩むその理念を堅固なものにしてくれることでしょう。あなたの働きかけは、より多くの人がSDGsに触れる機会を作り出し、世界規模で進む「持続可能な社会」の構築を支える力となるはずです。

今後SDGsの取り組みに力を入れていきたいという企業・団体の皆さまをホープは応援しています。一緒にできることがあれば、ぜひ一度ホープにご相談ください。あなたの企業にしかできない取り組み方を共に考えていきましょう。

(注1):2020年3月期決算説明会 豊田社長メッセージより

https://toyotatimes.jp/insidetoyota/074.html

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