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企業がチャリティーディナーの初開催を決めたとき、担当者は何をしたの?

HOPE-JP • Aug 21, 2023
チャリティーディナー

ホープのチャリティーディナーに参加された経緯を教えてください

2007年ごろ、当時勤めていた合同会社ユー・エス・ジェイ(以下 USJ)が新しくチャリティーディナーを開催することになったのがきっかけです。

そのころUSJでは社会貢献活動に力を入れるためCSR部が立ち上がり、当時の社長から「欧米でやっているようなチャリティーディナーを開催したい」と話がありました。

ただ「欧米式のチャリティーディナー」といっても当時はモデルになるようなイベントがなく、思案していたところにホープから関西チャリティーディナー(以下ディナー)の招待状が届いたんです。


まず驚いたのは招待状にBlack Tie(ブラックタイ)とドレスコードが書かれていたこと。私もフォーマルなドレスを着て参加しました。

初めてのディナーでは全てのことに興味津々でした。ホープが実施するアニマルバンク事業は、カンボジアの農家に牛を貸出して経済的自立をサポートする、これまで聞いたことのない支援方法でした。

参加者の半分は外国人。ディナーで行われたオークションでは物だけでなく、プライスレスな体験型の商品が出品され、外国人の方が驚くような高額落札価格で楽しんで参加しているのを見て、彼らのチャリティーに対する気持ちに驚き、同時に私たち日本人とは寄付に対する感覚の違いを感じました。上品な会場で参加者は非日常を味わい、その雰囲気で「今、自分にできる最善の支援をしたい」という気分になるようなイベントで、感動しました。

ホープのディナーで参加者と交流

ホープのディナーで参加者と交流
(一
番右が春名さん)

USJのチャリティーディナー実現に向けてどんなことをされましたか?

本格的に準備が始動したのは、ホープのディナーに参加をしてからです。目標は1000万円以上の収益をあげること。主要取引企業を一社ずつ訪問し協力をお願いしましたが、最初は何事も大変です。今でこそチャリティーに対する理解は深まってきましたが、当時は「寄付は適正に使われるの?」と疑問視する声も聞かれました。そういった声に対しては、寄付の使途を「地元大阪府内の高校生の大学進学を支える奨学金(大阪府育英会USJ奨学金)および児童養護施設への移動用車両寄贈、難病児童の病院内プレイルーム改装など」と明確にし、徹底して寄付の使われ方の透明性を高めました。チャリティーの活動で、不正が起こってはいけませんので、法律についても徹底的に調べ、できる限りの準備をして2008年に第1回チャリティ・ディナー・ショーを開催しました。

結果的には収益目標を達成し、USJからのマッチングギフトとして、収益と同額を加算しました。

現在もチャリティ・ディナー・ショーは続いており、2023年には第15回目が開催されました。

最後に、企業とNPOのチャリティーディナーで何か違いを感じられたことはありますか?

参加者との関係が違います。USJのチャリティーディナーでは主要取引先の方々がテーブルスポンサーで、「会社と共に地域貢献をすること」に意義を認めて参加してくださっています。一方でホープさんのようなNPOが主催のチャリティーディナーは、関係がない人をどう引き込むか戦略が必要ではないでしょうか?欧米ほどチャリティーの文化が浸透していない日本人に対しては「参加するメリット」を考えることが大切だと思います。

自団体の活動をもっとアピールすると同時に寄付の透明性を高めるための報告。寄付先を参加者の目に見えるようにする、「見える化」をすることで寄付に対する意識を良い方向に変えていけるのではないでしょうか。

  • 1 Black Tie:準礼装のこと。現在のディナーはブラックタイではありません。
  • 2 USJ奨学金:大阪府育英会が主幹となりUSJからの寄付を原資に運営している奨学金制度

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