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エチオピアは今日、何月何日?

HOPE-JP • Sep 13, 2019

今年は2012年で1年は13ヶ月?? ナゾすぎるエチオピアの暦システム

日本では今年から新たな元号「令和」が始まりました。日本独自の元号システムは海外の人にとっては分かりにくく、日本に来て混乱する外国人も少なくないのだとか。それでも日本のカレンダーはほとんどがスタンダードな太陽暦のグレゴリオ暦。最近では正式な文書で西暦を使うことも少しずつ浸透し、外国の方も生活しやすくなってきました。
そんな中で「Going My Way (我が道を行くこと)」に徹しているのがエチオピア。
エチオピア暦は4世紀ごろに起源を持つとされる古い暦ですが、エチオピアでは今もこの暦を日常的に使っています。
1年365日というのは変わりませんが、1月1日が9月中旬に始まり、しかも1年は驚きの13ヶ月!毎月30日きっかりで月が変わり、余った5~6日が13月。さらにイエスキリストの生誕年について異なる解釈を持っているために、西暦とも7~8年のズレが生じています。
この年のエチオピア暦1月1日は9月11日。よく見るとそれぞれのマスには数字が2つあり、上の数字がグレゴリオ暦の日付で下の数字がエチオピア暦の日付となっている。

カレンダーだけじゃなく時計も違うエチオピア

加えて「エチオピアタイム」というものも存在します。「時間にルーズ」ということを言っているのではなく、時間のカウントの仕方そのものが違うのです。私たちは夜中の12時を午前0時としていますが、エチオピアでは朝6時を0時とカウントします。このシステムのためにエチオピア人の時計は私たちの時計と6時間ズレています。
こうなってくると大変なのが仕事のアポ取り… 
2011年11月27日、3:00時からミーティングお願いします」とエチオピア人から連絡がきたら、これは「2019年9月2日の午前9:00時から」という意味。これからエチオピアに行くかもという人は、覚えておかないと約束をすっぽかし続けることになるので要注意です。

エチオピア流のお正月の過ごし方

この暦のおかげでエチオピアでは大晦日も元旦も普通の日。仕事だって休まず行きます。エチオピア人にとってのお正月はあくまで9月11日(うるう年では12日)です。祝日はドロワットと呼ばれる鶏肉料理を食べることが一般的で、鶏肉をピリ辛く煮込んだシチューのようなものをゆで卵と一緒にインジェラという薄いクレープの上に載せて食べます。インジェラは発酵食品、香辛料もエチオピアならではの独特な味ですが、ドロワットや様々なおかずをインジェラに載せて食べると、やみつきになります。
また、お正月によく見かけるのが花の絵を持った子どもたち。
実はこれはエチオピア版のお年玉文化。子どもたちがお正月にたくさんの花の絵を描いて親戚や近所の人たちにプレゼントすると、そのお返しにお小遣いやお菓子がもらえるのです。

ホープ事業地、僻地の村では~

しかし、誰もが豪勢な食事や華やかな服でお正月をお祝いできるわけではありません。
経済成長著しいエチオピアではありますが、貧富の差も大きくなる一方です。ホープが事業を行なっているエチオピア南部の村にはインフラが整っておらず、街の10分の1以下の収入 (年収約15,000円ほど) で自給自足に近い生活を送っている村人がたくさんいます。街では毎食出てくるインジェラだって村では特別な料理です。

そんな村の生活を良くしたい。ーホープにできることー

村の住民の多くはその日暮らしの生活で、貯蓄という概念はあまり定着していません。仮にお金を少しずつ貯め始めたとしても、少ない収入の中からある程度の金額を貯めるにはかなりの時間を要します。
そこでホープは水事業と並行して、社会的地位や就学率の低さから、これまで活躍の機会が無かった女性も活躍できるよう、女性を対象にした自立支援、SHG(自助グループ)プログラムを行っています。このプログラムに参加する20名ほどで作ったグループに対しお金の貯め方や商売の仕方を教え、共にアイデアを出し合いながらビジネスを始められるようサポートしています。
グループで少しずつお金を貯め、そのお金を元手に商売をし、売り上げを分配する。1人ではできなくても、みんなで知恵と力を合わせれば、女性にもたくさんのことができ、社会で活躍することができるのです。今年ホープが支援している3つの事業地でも、計900人以上の女性がこのプログラムに参加。ホープスタッフから研修を受け、各グループは綿花の加工(製糸)や畜産、農業など様々な商売を始めました。

グループで一緒にお祝いするための “ソーシャルファンド” 

SHGに参加している女性たちは、グループごとに週ごとの貯金額を決めて、各メンバーが貯金をしています。その額は1人あたり週50円ほどと私たちからすれば少額ですが、現地では決して少ない額ではありません。
メンバーたちは貯金した額の1~2割ほどを「ソーシャルファンド」と呼んでいます。ソーシャルファンドは商売には使わず、お正月や祝日をメンバーと一緒にお祝いする時に使う貯金です。皆で集まり、普段はあまり買えない飲み物を買ったり、一緒に食事をしたり、街に比べれば質素なお祝いかもしれませんが、それでも皆で楽しく過ごせる時間はかけがえのないものです。
お金が増えることは豊かな生活を送る上で必要なことですが、それだけでなく、周りの人と協力して何かを成し遂げたり、皆で祝日をお祝いできたり、女性がもっと活躍できるコミュニティーになるということこそが、村をより良い発展へと導くのではないでしょうか。
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