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エチオピアの小学生、初めてのポスター作り

HOPE-JP • Aug 18, 2022
エチオピアの小学生、初めてのポスター作り

ポスター作りにチャレンジ


6月中旬、エチオピア南部カレ・マロ郡の小学生が初めてのポスター作りに挑みました。ポスター作りのワークショップに参加したのは、カレ・マロ小学校の保健クラブの児童21名。クラブは各学年の代表で結成され、手洗いや清掃など保健衛生の啓発を目的として活動しています。


今回のワークショップは参加者21人中、19人は絵を描くのが初めてでした。それでもみんな初めてのポスター作りを楽しんだようです。


僻地の村の保健衛生意識を高めたい


ポスターのテーマは、保健衛生の啓発です。

カレ・マロ小学校には、今年3月にTOTO水環境基金の助成事業により学校トイレが完成しました。トイレが完成するまでは、地域住民や児童に手洗いなどの習慣はなく、野外排泄も日常的でした。不衛生な環境が原因で発症する病気も多く、その原因がしっかりと理解されていなかったのが実情です。


そこでポスターを作り、学校トイレの利用に伴う手洗いやトイレ清掃など保健衛生に対する児童の意識をさらに高めようとワークショップが開催されました。


初めてだけど、楽しく描けたよ!

初めにポスターのテーマとなるアイディアを出してもらうため、児童たちに「保健クラブメンバーとして、保健衛生について全校児童にどのようなことを伝えていますか?」と聞いてみると、「手を洗うこと!」、「トイレの清掃!」など次々に意見があがり、保健クラブメンバーの理解の深さがうかがえました。


児童からあげられたテーマの中から、野外排泄をしない、学校トイレを使う、トイレ使用後は便槽の蓋をする、トイレの清掃、手洗いの習慣、朝顔を洗う、服をきれいに洗う、の7つを選び、いよいよポスター作りのスタートです。

3人ずつの7グループに分かれ、各グループに割り当てられたテーマに沿って、ポスターを書いていきます。マジックペンを使い、大きな画用紙にすらすらと描き始めるグループもあれば、別の用紙に小さく下書きから始めるグループも。現地語のオイダ語(ローマ字を使用)で、それぞれのテーマが書かれていて、話し合ったり、作業を分担したり、みんなで工夫してポスターを完成させました。

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最後に全員が各グループのポスターを見て回り、好きな作品を選びました。栄えある一番に選ばれたのは、手洗いの習慣をテーマにした作品です!

保健委員と先生

保健委員と先生

手洗いは保健衛生の基本であること、そして伝わりやすいデザインだったことが選ばれた理由でした。このことからも、児童がポスター作りの意味をよく理解していることがわかります。

今後はTOTOさんにもポスターを選んでいただき、選ばれたポスターの絵を学校トイレの壁に描き、全校生徒に手洗い習慣の大切さを伝えていきます。

ワークショップを終えて


ワークショップが終わると児童たちはみな、「楽しかった!」と口を揃えました。「すぐに描けるようになったよ!」と言う児童もちらほら。彼らにとってマジックペンを使って画用紙に絵を描くことはめったにない経験であり、ワークショップはとても楽しいものだったのでしょう。

シマリス先生

シマリス先生

最後に、保健クラブ顧問のシマリス・バカラ先生からもワークショップの感想をいただきました。

「今回のワークショップは児童にとって特別な体験となりました。学校には美術を教えることができる教師がいますが、道具を揃えられず授業ができないんです。そのため、今回児童がポスター作成を楽しんでいるのを見てとても嬉しく思います。参加した生徒たちは、今までも保健クラブのメンバーとして保健衛生の啓発をしっかり意識して活動してきましたし、今後もより精力的に啓発していくよう、私もさらに力を入れて指導していくつもりです。」

皆さまからのご寄付により保健衛生事業は支えられています。

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