実写じゃなくて、アニメ? ホープが初めてアニメーション動画を作った理由

ホープの25年間の活動を、一本の映像作品でどう伝えるか。
カンボジア、エチオピア、フィリピン、そして東日本大震災。国も時代も、そこで向き合ってきた課題も異なる25年間の歩みを伝えるために、ホープが初めて選んだのは「アニメーション」でした。
これまで活動地の様子や人々の声を伝える実写映像を制作してきたホープが、なぜ今回はアニメーションに挑戦したのか。その背景には、これまで国際協力に馴染みのなかった方にも、ホープを知ってもらうきっかけにしたいという思いがありました。
制作は、当初予定していた「ナレーションや台詞を使わず、映像と音だけで伝える」という構想からスタート。しかし、実際に制作を進める中で、絵だけでは伝えきれないことも見えてきました。
25年の活動から何を選び、どのように一つの物語にしていったのか。
完成までの試行錯誤や、長年ホープの活動を見てきた映像制作者との制作の裏側をご紹介します。完成した作品とともに、ぜひお楽しみください。
25年間の活動を、一本の動画で伝える。
言葉にすると簡単ですが、25年の間には、たくさんの活動と出会いがありました。
カンボジアでは、安全な水を届けることから始まり、その水を暮らしや収入の向上につなげる活動へ。エチオピアでは、女性たちがグループで学び、貯蓄やビジネスに取り組んでいます。フィリピンでは、先住民族の若者たちの教育を支援してきました。そして東日本大震災では、日本国内での緊急・復興支援にも取り組みました。
もちろん、これが25年間のすべてではありません。
では、この25年を数分の動画にするとしたら、何を伝える?
そしてもう一つ。
これまで国際協力に関心がなかった人にも、見てみたいと思ってもらうには?
25年間の歩みから何を伝え、どうすれば新しい人たちにも届けられるのか。この二つの問いが、25周年記念動画制作の出発点となりました。
なぜ「アニメーション」だったのか
これまでホープでは、活動地で暮らす人々や現地での取り組みを伝えるため、実写のドキュメンタリー映像を制作してきました。
現地の様子や人々の声をそのまま伝えられることは、実写ならではの良さです。一方、今回の25周年記念動画では、これまでホープを支えてくださった方だけでなく、国際協力にまだ馴染みのない人にも、ホープを知ってもらうきっかけにしたいと考えました。
そこで選んだのが、これまでとは異なる「アニメーション」という表現方法でした。
実写とは違う方法であれば、国や地域、活動の違いを越えて25年間の歩みを一つの物語として描くことができます。また、国際協力について詳しく知らない人にも、まずは一本の作品として興味を持ってもらえるかもしれません。
こうして、ホープにとって初めてとなるアニメーション動画への挑戦が始まりました。
長年ホープを見てきた映像制作者と一緒に
今回の動画制作をお願いしたのは、映像制作者の岡根智美さんです。
岡根さんにはこれまでにも、ホープの活動を伝える複数の映像を制作していただきました。長年にわたって活動を見てきた岡根さんから提案されたのが、今回初めて挑戦することになったアニメーションでした。
制作当初に考えていたのは、ナレーションや台詞を使わず、映像と音だけで伝えること。言葉に頼らないことで、見る人の言語にかかわらず伝わる作品を目指していました。
しかし、実際に制作を進めてみると、5分程度の短い映像だけでは伝えきれないことも見えてきました。
例えば、作品の中には苦しそうな男の子と、その姿を見て涙を流す父親が登場します。絵だけでは、男の子がなぜ苦しんでいるのか、その背景までは十分に伝わりません。安全な水を使えないことが健康にも影響していることなど、活動の背景をより分かりやすく伝えるため、当初の構想にはなかったナレーションを加えることになりました。
こうして、実際の映像を見ながら検討を重ね、少しずつ現在の形へと近づいていきました。

一本の作品に込めた、ホープの25年
完成した動画には、カンボジア、エチオピア、フィリピン、そして東日本大震災での活動が登場します。基本となるアニメーションに加え、東日本大震災での支援については、当時の実写映像も使用しています。

国も、時代も、そこで直面している課題もさまざまです。安全な水を使えるようにすること、女性たちが収入を得る力を身につけること、若者たちが学び続けられる環境をつくること、そして災害によって大きく変わった暮らしを立て直していくこと。
一見すると、それぞれ異なる活動です。
けれど、その根底にあるのは、困難な状況にある人たちが、自分たちの力で暮らしをより良くしていけるよう支えること。ホープが25年間、大切にしてきた「自立」への考え方です。
数分間のアニメーションに、25年間のすべてを収めることはできません。それでも、異なる場所、異なる活動を一つの物語としてつなぐことで、ホープがこれまで何を大切にしてきたのかを描きました。
ぜひ、完成した動画をご覧ください。
25周年のその先へ
25周年は、これまでの歩みを振り返る節目であると同時に、これからの活動を考える機会でもあります。
25年前に始まった活動は、多くの方に支えられながら、さまざまな国や場所へと広がってきました。これまでホープの活動を支えてくださったすべての皆さまに、心より感謝申し上げます。
そして、この作品が、これまで国際協力やホープの活動に触れる機会がなかった方にとって、私たちを知るきっかけになればと願っています。

25周年を迎えても、ホープが目指すものは変わりません。
一人ひとりが自分の力を生かし、自分たちの手で未来をつくっていけるように。これからも活動を続けていきます。
ホープの活動は、皆さまからのご寄付に支えられています。
