チャリティーディナーから広がる支援の輪

ホープはファンドレイジングとオークションというエンターテイメントをかけ合わせたイベント「チャリティーディナー」を20年以上にわたり開催しています。
今回はチャリティーディナーの歩みやオークションの様子、参加者の声をご紹介します。
「チャリティーディナー」を始めたきっかけ
ホープは世界9か国にネットワークがありますが、その本部であるホープ・カナダが主催していたファンドレイジングイベントを基に、2002年に名古屋で開催したのが始まりです。当時は日本事務局が設立したばかりで、団体の知名度、そしてチャリティーディナーという手法自体も日本ではまだ知られていませんでした。チャリティー文化が浸透している欧米では、馴染みのある寄付の方法であったため、当初の参加者の大半は日本在住の外国人の方ばかりでした。そのような中、寄付の方法の1つとして「チャリティーディナー」と呼ばれるイベントがあることを知ってもらい、ホープの事業地のことをもっと日本に広めたい、そして日本人の方々にも参加してほしい、という思いがありました。
現地の様子を感じて事業の大切さを理解してもらう
ディナーは主に2つのことを目的に開催しています。1つは、事業地で起きている問題を参加者に伝えることです。私たちホープの事業地は日本から遠く離れています。そのため、支援を行う人と支援を受ける人を少しでも身近に感じてもらえるよう、現地で暮らす人々の生活やホープの支援方法とその成果を短編映像にしてお伝えしています。
文字や言葉だけでは伝わらない現地の風景や音を視覚や聴覚で感じ、事業への理解を深めてほしいと願うと同時に、ディナーへの参加が問題解決へのアクションの第一歩になればと思っています。
参加者との一体感が生まれるユニークなオークション
そしてディナーのもう1つの目的は、チャリティーを楽しんでもらうことです。まず、ディナーは「水」での乾杯から始まります。ホープの支援が水からスタートするように、ディナー参加者全員で、水の大切さを共有することから始まり、非日常的なホテルの空間で食事や会話を楽しみつつ、オークションにも参加をしてもらいます。
オークションでは、ホープ事業地の工芸品や活動を応援してくださるスポンサー様からご提供いただいたバラエティーに富んだ商品が出品され、落札額はホープの海外事業に役立てられます。なかでも開催当初から人気の商品として、「牛のネーミングライツ」があります。ホープの農業支援「アニマルバンク」でカンボジアの農家へ貸し出される牛に名前をつけることができ、落札者には牛と飼い主一家のレポートが届きます。希望があれば現地まで名付けた牛に会いに行くこともできます。
これまでに延べ5千人以上の方々にディナーに参加していただいています。国籍、性別問わずさまざまなバックグラウンドを持つ方々が集まり、普段の生活では出会うことがなかった分野の人々が言葉を交わし、過去のディナーで知り合った人たちが年に一度集まる社交の場にもなっています。事業地とサポーター、サポーター同士、サポーターとホープがつながりを作れるように、主催者の私たちも意識してディナーという空間を作り上げています。
そのかいあってか、過去には合同会社ユー・エス・ジェイ(以下 USJ)の方がホープのディナーに参加し、自社でのチャリティーディナー立ち上げの際の参考にしていただきました。チャリティーディナーの先駆者として活動を続けてきた私たちにとって、嬉しい相乗効果です。
主催者となった今、大切なのは参加することの重要性を伝えること
先ほどのUSJの方だけでなく、ディナーの参加者から当団体の事務局長になった人物がいます。それは、2019年より現職を務める事務局長ベア ジェフリーです。
参加の経緯から今後の展望について語ってくれました。
チャリティーディナーで地域を、世界を変える
チャリティーディナーは、参加者と事業地をつなぎ、支援の輪を広げる大切な場です。これまでに多くの方々が参加し、「社会貢献をしたいけれど機会がない」と感じていた個人や企業との出会いを創り出してきました。そこから新たな協力関係が生まれ、途上国への支援が少しずつ広がっています。
また、ディナーは私たちホープにとっても、活動資金を募る欠かせない機会です。資金調達はNGO・NPOに共通する課題ですが、これまでに培った運営のノウハウを共有し、同じ志を持つ団体の仲間を増やしていくことも目指しています。
今後は、これまでの経験をさらに発展させ、参加者一人ひとりが現地とのつながりをより深く感じられる工夫をしていきます。そして、チャリティー文化を日本に根付かせ、持続可能な支援を世界へと広げていきたいと考えています。
ホープの活動は、皆さまからのご寄付に支えられています。






