エチオピアで始まる新たな挑戦 女子教育を支える月経衛生管理支援

HOPE-JP • August 7, 2026
People smiling outdoors around a tree, gathered in a green park setting

エチオピア南部、ミラブアバヤに住むメセレク(Meselech)さんは、ある日、自分の服が血に染まっているのに気づきました。

怪我をしているわけではなさそうですが、血は止まりません。

わたしはこのまま死ぬのかもしれない

怯えながら友達に助けを求めました。

するとその友達は、自分も毎月そうなること、病気や怪我ではないことを教えてくれました。


初めて知る事実にメセレクさんはひとまず安堵しました。

しかし、そこからは月経への対処に悩むようになりました。

使い捨てナプキンは、とても普段使いできるような値段ではありません。

代わりに家で見つけた古い布を使いっています。

月経はタブーとされているため、使った布は人目につかないようにこっそり水路で洗っています。

学校では月経の対処ができません。

トイレは鍵が壊れた男女兼用ですし、水も来ていないのです。

そのため、月経が来ると学校を休み、家で過ごすしかありません。

月経への無理解が女性の社会参加を阻む

メセレクさんが経験したことは、個人的な問題ではありません。ミラブアバヤ郡では多くの女子児童が同じ現実に直面しています。

月経がタブー視されるため、親や学校の先生など、周りの大人に月経の相談ができる女子児童はわずか7%。学校で月経衛生管理を学べる授業が無いため、初潮前に月経について聞いたことがある女子児童は35%にとどまっています。

こうした状況から月経期間中は学校を休むのが普通になってしまっており、女子生徒の学びの機会が損なわれています。

Children gathered outdoors near a school building, some in red uniforms, with trees and shade around them

女性の社会参加を促進するため、月経衛生管理の普及を目指す

私たちホープは、同地域で水事業や収入向上プログラムなどを通して、住民の自立を支援してきました。

その活動を進めていく中で見えてきたのが、月経に関する課題が女子児童の学びの機会を損ない、ひいては女性の社会参加にも影響を及ぼしている現実でした。安心して学校へ通える環境がなければ、自立への一歩を踏み出すこともできません。そこで私たちは、新たに月経衛生管理(MHM)の普及に取り組むことを決めました。

3つの取り組み

1. 学校の環境改善

女子児童が安心して学校生活を送れるよう、衛生環境やプライバシーに配慮した施設を整備します。月経中でも安心して過ごせる環境を作ることで、学校を休まなくてもよい環境づくりを目指します。


  • 新しいトイレ
    鍵付きのドアだけでなく、株式会社LIXILが開発した簡易トイレSATOを導入。衛生環境が大きく改善されます。
  • MHMセンター
    月経への対処や体調不良時の休息ができる専用スペースを設置。必要な衛生用品を備え、誰でも利用できます。

2. 月経衛生管理(MHM)教育

女子児童だけでなく、教員や周囲の人々にも正しい知識を広めるため、MHMを学校教育に取り入れます。月経に対する正しい理解を深めることで、偏見や誤解の解消を目指します。


  • MHM教材の開発
  • 教員向けトレーニングの実施
  • 学校での授業の実践
  • 繰り返し使える布ナプキンを含むディグニティキットの配布

3. コミュニティ啓発活動

月経に関する課題は、学校だけで解決できるものではありません。地域では月経がタブー視されていることや経済的な困難もあり、女子児童だけで対処することは難しい状況です。そのため、女性グループを形成し、月経衛生管理(MHM)の啓発活動と収入向上プログラムをあわせて実施します。女性自身が知識を身につけ、収入を得られるよう支援することで、女子児童だけでなくコミュニティ全体で月経を支える環境づくりを目指します。

この事業が目指す未来

初年度となる2026年は、2つの村と1つの小学校(合計9,106人)を対象に活動します。

女子児童の90%以上が月経衛生管理に関する正しい知識を身に着け、布ナプキンなど適切な用具と安心できる環境で、月経に適切に対処できるようになることを目指します。


2027年から2028年にかけては、活動範囲を段階的に拡大し、最終的には、ミラブアバヤ郡全体で月経衛生管理の普及を目指します。

株式会社LIXIL様からの協力

衛生環境の改善を通じて世界中の人々の生活品質の向上を目指す株式会社LIXIL様より、本事業に簡易トイレSATOを無償提供いただくことになりました。

このご協力により、清潔で、女子児童が安心して利用できるトイレ環境づくりを進めていきます。


本事業は令和7年度日本NGO連携無償資金協力に採択され、外務省からの資金提供を受けて実施しています。 外務省、企業、NGOが連携する官民連携事業として、持続可能なモデルづくりにも取り組んでいます。

ホープの活動は、皆さまからのご寄付に支えられています。